hollow eyes
あの女はやはり恐ろしいのだった
他人の命には興味が無いのだ
彼の幼さゆえの脆くも直実な正義感とは全く対照的に、彼女は余りに欲望に忠実だった
やりたい事にも
やりたくない事にも
昨日愛したものを今日には殺してしまうような女
彼は死に逝く者を救えるならと常日頃から思っていたし
彼女もそれを知っていたが
彼女が彼の自由を奪ってしまうから
無常にも彼の目の前でまた命は奪われた
何の感慨も無い彼の冷淡な瞳を通して
彼女が一つの死を見下していた
あの女はきっと死ぬまで
殺したり、奪ったり、見捨てたりするのだろう
何も気にせずに