FLAME

「君のせいだ・・・」
「君のためなら100年先まで守ろうと、そう誓ったのに・・・」
「ああ、何故だい・・・君が裏切ったから」
「ほら・・・1000年先まで焼き尽くしてしまった・・・」
 
冷徹にして残酷
残虐にして非情
 
知りし痛み
焼き付いた記憶
復讐
近付く発火点
 
繋ぎ止める紐の拘束
一線を越えるためなら
僅かに残った
温かな思い出にさえ火を放って
 
それは炎
人を焼き
街を焼き
大地を焼き
地上の全てを糧に
焼き尽くす
全てを焼き尽くし
そして己が燃え尽きるとき
彼は何を想うのか・・・
 
全ての汚れは燃え尽きる
全ての痛みが癒される
取り残された憎しみが笑い
忘れられた愛は二度と目覚めない
 
「君のせいだ」
 
行き止まり
 
全てが燃え尽き
全てが眠る
 
彼は最後に満たされたのだろうか
 
炎は全ての不浄を払ったが
正義を語るものさえ残されなかった
 
残されたのは
行き止まりの
灰の地平線
・・・永遠・・・
 
 
 
やがて訪れる
彼さえ予想だにしなかった
永遠を打ち破る
一つの芽吹き
 
憎しみを焼き尽くした炎
残された灰から産まれた
一つの芽は
この地平線を
どのように彩るのだろうか・・・
 
 
 
「終わらないさ」
「産まれ続ける限り、何度だって・・・」